STUDIO F+のPhoto Blog

デジタル映像スタジオSTUDIO F+の写真専門ブログです

漫画評: つげ義春

漫画評: つげ義春

最近は映画を観ずに、本や漫画ばかり
読んでいました。

その中でも、あの伝説の漫画雑誌「ガロ」出身
の漫画家、つげ義春さんの漫画を読んだので、
その感想を書いてみようと思います。

正確には、貸本漫画出身と言った方が
正しいのかもしれません。

つげ義春さんの漫画は、代表作と言われる
ねじ式」や「紅い花」といった、
通常の漫画ではない、今風に言うなら
アート系の漫画が多いのが特徴であります。

実は、私は一時期、漫画家に憧れた時があり、
小学校の頃に、すでにつげ義春さんの漫画を
知っていました。

しかし、重い、暗い内容に、意味不明な展開に
私はついていけず、また、時折出てくる
つげ先生独特な性描写に恐怖を感じ、
大人になるまで、つげ義春さんの漫画を
読めなかったのです。

私の友人で、映画の助監督として活躍する
友達は、すでに高校生の時から、つげ義春さんの
漫画全集を持っており、大絶賛していました。

やはり、彼は私よりも大人だったのかもしれません。

最近になり、お正月から内田百聞の小説を
読むようになり、なぜかつげ義春さんの漫画が
気になるようになったのでした。

なんとなくですが、内田百聞の小説とつげ義春さん
の漫画は似ているような気がしたからなのかも
しれません。

つげ義春さんの漫画をあらためて読んでみて
感じるのは、「どうしようもない現実」と
「非現実的なエロス」です。

個人的に印象に残っているのが、「もっきり屋の少女」と
「紅い花」です。

どちらの作品にも、共通して登場するのが
おかっぱ頭の着物を着た少女です。

古風な日本語を話し、独特な色気を持つ
つげ義春さんが生み出した「妖艶な少女」
というキャラクターに、圧倒されてしまいました。

御存じのように、つげ義春さんの漫画は、
多くの映画人にも影響を与えており、
石井輝男監督の「ねじ式」、竹中直人監督の
無能の人」など、映画化されています。

最初は「ウッ!?」と、拒否反応をして
しまいそうな感覚も、読み進んでいくと
マヒした感覚に陥ってしまい、グイグイと
つげ義春ワールドにハマッてしまいます。

なぜか?理由はわからないのですが・・・・