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ジョージ・ルーカス監督引退宣言に思うこと

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先日、あの「スターウォーズ」の監督、ジョージ・ルーカスが引退するとの記事が
ありました。

スターウォーズ」を小学生の頃みて、映画製作を志した私にとって
このニュースを読んだ時は複雑な気持ちでした。

ルーカス監督も年をとったなぁという印象と、まだまだ映画界で頑張って
欲しいという両方の気持ちがありました。

ただ、ルーカス監督にとって同胞であるスティーブン・スピルバーグ監督と
比較すると、ルーカス監督はもはや映画監督ではなくルーカスフィルム
社長であり、ビジネスマンなんですね。

スピルバーグ監督はおそらく、死ぬまで映画監督であり続ける人だと思います。

ルーカス監督の方は、巨大化した自身が抱えるビジネスに振り回されてしまい
本当に作りたい映画を作れなくなった監督になってしまったような気がします。

一方、スピルバーグ監督は3DCGアニメ「タンタンの冒険」を製作したりと
今でも意気盛んに新しい映画作りにチャレンジを続けている監督。

私が日本大学大学院で映画を研究していた時のこと、ある教授が興味深い事を
語っていたのを覚えています。

「ルーカスは大学で映画を専攻して、在学中に賞を受賞するなど超エリート
だった。しかし、スピルバーグは監督を続けるべきかどうかいつも悩んでいる
人物で、ルーカスとスピルバーグは対照的な存在なのかもしれません」と。

また付け加えて、「世界の映画監督の巨匠と呼ばれる人のタイプに多いのは
スピルバーグ型の人で、常に自分の映画製作に悩み続けている方だ」と。

結局、映画監督をすること、自身の作品を作ることに徹底してこだわった
スピルバーグ監督の方がいまでも映画を製作し続けているわけで、
ルーカス監督は「スターウォーズ」の呪縛から逃れることができずに
現在に至ったのかもしれません。

最後にルーカス監督が記者に語った言葉が印象的でした。
「会社事業も、業界の付き合いも、いま背負っている全てのビジネス上の義務も捨て去って、
のこぎりとハンマーでも持って趣味の映画を作るために自宅のガレージに引きこもるつもりさ」
と話すルーカス監督は、さらに「以前からずっと、もっと映画の本質を突いた実験的な
作品を創りたかったんだ。映画館での興行の心配もしなくていいような映画をね」
(ヤフーなどのニュース記事より抜粋)

私がもし小学生の時にルーカス監督の「スターウォーズ」を映画館で観ていなかったら・・
間違いなく映画製作を志すことはありませんでした。

なぜかと言うと、それまでの私はつまらない文科省推薦の日本映画ばかり見せられていて
映画=退屈、暗い、悲しい と思っていたからです。

しかも、当時の私からすれば、日本の東宝ゴジラ作品ですら満足できる映画ではなく、
プラモデルがバシバシ壊れ、着ぐるみプロレスショー「ゴジラ」に不満を感じ、
映画なんてとってもくだらないものだと思っていました。

しかし、その考えを覆した映画がルーカス監督の「スターウォーズ」でした。
おまけに、映画館で映画を観ることの凄さを教えてくれたのもこの映画からでした。

なので、いまでも私は「スターウォーズ」を好んでDVDなどでは観ません。
映画館で観るからこそ「スターウォーズ」は本物なのだと信じているからです。

ルーカス監督が映画界からすぐには消えていなくなることはないと思いますが
やはり、引退宣言は寂しい気がします。