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映画館の行方


映画館物語2007予告編 Preview "The Movie Theater Story"

手前味噌ですが、私が2007年に製作したドキュメンタリー映画「映画館物語2007-2008」の
予告編はコチラ。

テレビ番組制作をしながらも、常に気になっているのが映画。

平日はテレビ番組制作、土日は自主制作の映画を製作するという
パターンが今年いっぱい続きそうです。

ふと見た「日本経済新聞」のネットにあった映像ニュースに、
「イオン VS TOHO シネコン2強の戦略」というものがありました。

http://www.nikkei.com/video/?scrl=1

私は日芸大学院時代に研究していたのが、デジタル・シネマと映画館の研究。

論文は「デジタル・シネマ時代における日本映画興行界への一考察」というのを書き、
ドキュメンタリー映画「映画館物語2007-2008」を製作しました。

それゆえに、映画、映画館の記事はほぼ欠かさずチェックするようにしています。

特に、最新映画情報のサイトよりも、日経のようなビジネス系のサイトの方が
映画館の動向の記事が掲載されており、よくチェックしてます。

この日経の映像ニュースによると、ワーナー・マイカルを子会社化した
イオンの「イオンシネマ」がTOHOシネマを抜いて、シネコン数一位になったとのこと。

確かに、イオンのショッピングモールには必ずと言っていいほど、シネコンが併設
されてますね。

そこで、TOHOシネマズも負けじと、日本橋、新宿、上野といった都心部に新しく
シネコンを開設し、女性をターゲットにしたシネコン作りを進めているとか。

私が論文を書いた当時、シネコン数はTOHOがトップでした。
そして、まだ黒船と呼ばれた外資シネコンが若干残っていました。

シネコンの台頭により、従来の単館や名画座、ミニシアターは生き残りをかけて
しのぎを削るという状態になり、シネコンが持つ複数のスクリーン数は、
ミニシアターでしか上映しなかった映画まで上映されるのではなかと
危機感が漂っていた時代でもありました。

それから、6年の歳月が過ぎー

案の定、というか、やはり、単館は消えていく運命になり、渋谷にあった
ミニシアターの元祖たちも消えていきました。

今回の日経映像ニュースで私が感じたのは、シネコンが模索しているお客の獲得の
観点が少しズレているのではないか?ということでした。

なぜ、お客が映画館に来ないのか?
この現状解析が甘いような気がします。

映画館で見なくても、自宅の大型液晶テレビがあり、ネットがあり、おまけに
スマホでも映画が見ることができてしまうという、今日。

いくらTOHOシネマズなどがプレミアムシートを作って差別化を図ろうとしても
意味がないと考えています。

今のお客で映画一本1,800円を支払って見に来ている人は、ほとんどいないはず。

仮に1,800円を支払って映画を見たとしても、映画館まで行く往復交通費もかかり、
それに、パンフを買って、ポップコーンを買って・・をしていくと、映画一本を
見る単価は3,000円近くになってしまいます。

パンフ、ポップコーンはナシにしても、交通費は必ずかかりますので、
映画一本2,000円以上になります。

一方、DVDレンタル屋に行けば、新作が360円からレンタルができてしまう・・
庶民の娯楽だった映画が、今や富裕層の娯楽なのかっ?!という(笑)

私が考えるに、映画館の座席をもっと少なくして、全席プレミアムシートにして、
映画一本1,000円にしてしまえばいいのに、と考えています。

より快適な空間で、より迫力のある音、映像で、映画本来の魅力を120%発揮する所、
それが映画館ですよとアピールすべきかと考えます。

ちまたにブームを巻き起こしている、「俺のフレンチ」などを経営する破天荒な
イデアを持つ社長などが、もし映画館ビジネスを手がけたら、もっとスゴイ発想で、
もっとお客を呼び込む知恵をもっているはずだと思ったります。

そのくらい、従来の発想を超えるものを持つ人物が出てきて、既存の映画館システムを
根底から変えなくては、映画館は衰退していく可能性があると思います。

その顕著な具体例が、アメリカであり、すでに大型ショッピングモールの衰退と
ネットによる若者の映画館離れが深刻化している現状があります。

アメリカのマネをしてきた日本の将来像は、現在のアメリカを見ればその問題点が
わかるような気がします。

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