この映画館が新宿に登場したのは2007年でした。
2007年当時、まだ新宿には単館系の大型の映画館があった時代。
そこに、郊外ではすでに当たり前になっていたシネマコンプレックス(シネコン)を
東京の都心にオープンさせた、さきがけになったのが東映のバルト9だったのです。
オープンさせていったのでした。
この影響をもろに受けたのが、単館系の大型館。
新宿ピカデリー、TOHOシネマズ新宿のオープン直後から次々と閉館していきます。
バルト9もメジャー映画会社2社との熾烈な顧客獲得競争に入っていきました。
ほぼ全く同じ映画を上映していること。
右を向いても、左を向いても、全く同じラインナップ。
コンテンツの獲得に動きます。
もちろん、映画館のサービスを向上させ、座席やトイレなどを綺麗にするのは
当たり前のことではありましたが。
昔ならミニシアター系の映画館でしか上映がされなかった映画も、
シネコンで上映されるようになっていきます。
映画館が淘汰される時代。
私は2008年に日芸大学院の博士論文「デジタルシネマにおける一考察」に書いています。
いくら映画館が沢山あっても、そこで上映される映画、コンテンツがお客を魅了
しないかぎり、映画館の存在価値はありません。
問題は映画、コンテンツの質にかかっている。
当たり前のようではありますが、そこが一番難しいのかもしれません。
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