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BLACK SWAN

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この映画は映画館で観たいと思いながら、忙しさのあまり映画館で観る事ができなかった一本でした。

ナタリー・ポートマンがアカデミー主演女優賞を受賞したのをはじめ、海外で数々の賞を受賞した
この作品。

日本ではR15+指定の映画として公開されたほど、かなりショッキングなシーンがあるとかで、
サイコスリラー的な内容に期待を膨らませていたのでした。

しかも、私の知り合いの女性曰く、「後味が悪い映画」とか「母親の母性が怖い映画」等と
女性の怖さを強調していたので、どれほどのものかと楽しみにしていました。

しかしー
残念ながら、それほどショッキングでもなんでもない映画だったなぁ、というのが私の感想です。

主人公のニナを演じる、ナタリー・ポートマンの人格がだんだんと崩壊してく様子は圧巻でした。
しかも、官能的な演技を要求されるあまり自分で自慰行為をするシーンは、演じている
ナタリー・ポートマンは大変だったろうなぁと感心してしまうほど迫力がありました。

ここが問題なんですが、迫力はあるがエロさがないのです。
おそらく、ナタリー・ポートマン自身が持つ女性的なエロさが足りないのかもしれません。

次の問題点は、VFXの使い方の問題です。
ニナの人格が崩壊して、幻影を観ているというシーンにかなりのVFXを使用しているため
観ている方がシラケてしまいました。監督のVFXの使い方が荒いような気がします。
もっと、アナログ的な要素でゾッとさせて欲しかったなぁと思いました。

ただ、この映画は効果音にかなり気を使っているらしく、ナタリー・ポートマンが踊りながら
荒い息つかいをしているハアハア音や、ダンサーの足がフロアですれる音など、ものすごい数の
効果音が使われており、音で演出効果を高めようとしているのがわかります。
これは、この映画をヘッドフォンで聴くとよくわかります。

この映画で私が一番注目したいのは、ナタリー・ポートマンではなく、ベス役のウィノナ・ライダー
です。落ちぶれトップの座を去らなければならない役を演じているのですが、この映画で一番
リアリティーある存在だったと思います。

ウィノナ・ライダー自身、万引きで警察沙汰になって以来、ハリウッド・ゴシップから叩かれ
まくっていた女優さんだったので、実生活と合わさって、落ちぶれた役を演じるシーンは
迫力以上のものを感じましたね。

面白くなくはない映画でしたが、肉体や精神をいじめ抜いて役に没頭するダンサーや役者は
ある意味、極限状態を体験しているんだろうなぁと思わせてくれる映画でした。

あ、監督をやっている私も役者さん以上の極限状態を体験している、そう思います。