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ピクサー時代の終わりか?

1月24日に発表された、アメリカの映画の祭典、アカデミー賞のノミネート作品が発表されました。

ニュースにもなっていますが、このアカデミー賞の長編アニメ部門のノミネート作品に、
トイストーリー」などの名作CGアニメを発表してきた、あのピクサーのアニメ作品が
初めてノミネートされないという事態に。

第74回のアカデミー賞から創設された長編アニメ部門。
毎年、ピクサーのCGアニメはノミネートされてきたのですが、今回の第84回目でついに
ピクサー作品がノミネート外作品になってしまうとは・・・驚き、いやむしろ、
世界中でCGアニメが製作できるようになっているという現実を見せられたような感じを受けました。

ちなみに、今回のノミネーション作品は、以下のとおり。

『ア・キャット・イン・パリス(英題) / A Cat in Paris』
『チコ&リタ(原題) / Chico & Rita』
『ランゴ』

世界初の商業用、長編アニメを製作したのは、おそらくピクサーが初めてだったはずです。

しかし、それからCG製作ツールの普及や、CGを教える場所が専門学校、大学などに広がり
今では高校生からCGを勉強しているまでになり、CGが一部の特殊な技術だったのは
過去になりつつあります。

しかも、モーション・キャプチャーを取り入れて、人間の動きをそのままCGアニメにつける
技術が進歩したおかげで、CGアニメの領域はかなり広がっています。

そんな中、ピクサーだけは、モーション・キャプチャーを使わずに、アニメーターが
アニメをつけていくという手法をかたくなに守っている製作会社だそうです。

それは、ピクサーを発展させてきた中心人物、ジョン・ラセター氏の考えが大きいのかも
しれません。

宮崎アニメの大ファンでもあることで知られているラセター氏ですが、ピクサーの歴史について
書かれた本「メイキング・オブ・ピクサー」によると、ラセター氏が最終的に目指したいものは、
ラセター氏が幼い頃に見て憧れた、古き良き時代のディズニーアニメの復活なんだそうです。

それゆえに、ピクサーは手付けによるアニメにこだわり続けているわけなんです。

いよいよ、CGアニメも技術で人を驚かせた時代から、質の時代に突入しているような気がします。
だれでも簡単にCGを学べて、アニメーションを作れる時代。
いかに魅力あるストーリーを語る事ができるのか?ここにかかっているように思えます。

お国は代わって日本でも、ようやくあの「ファイナルファンタジー・ショック」から解放されて
CG映画にお金を出すようになってきていいます。

(興行的に大失敗をした映画「ファイナルファンタジー」以降、日本ではCGアニメに企業が
お金を出さないという傾向が長く続いたことを、一部のCGアーチストたちはこれを
ファイナルファンタジー・ショック」と呼ぶ)

はたして、夏休みや冬休みの子供向けアニメとして、CGアニメが作られ続けていくのか?
日本でもフルCGアニメ作品の質が問われる時代に入ったと思います。