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David Fincher 「Alien 3」(1992)

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(The Girl with the Dragon Tattoo)を観てからというもの、
この監督の過去の作品を集中して観ています。

私がデビッド・フィンチャー監督作品を意識して観るようになったきっかけの映画は、
あの「セブン」Se7en, 1995)からです。

公開当時、「セブン」を劇場で観たときは驚きましたね。
陰々滅々とした映画なんですが、最後まで目が離せない展開と、かなり意図的に作り上げられた
映像美に惹かれました。

自分の中ではデビッド・フィンチャー監督のデビュー作は「セブン」だと思っていたのですが、
実は1992年に公開された「Alien 3」だとずっと後で知ったのでした。

私が「Alien 3」を劇場で初めてみたのは、ニュージーランドオークランドの映画館でした。
当時、ニュージーランドに留学しており、ホストファミリーの人とこの映画を観に行ったのでした。

しかしー
あの当時まだ英語力がなかった私は全く内容がわからず。
囚人たちがワーワー言いながらエイリアンから逃げ惑うシーンが印象で、リプリーの中に
エイリアンがいるんではないか?と思っていたら、そのとおりになっていたというくらいで、
あまり面白い映画じゃないな・・・と感じたのでした。

それから数年経ち、日本の映画館で映写技師として働いているときに「エイリアン4」
Alien: Resurrection, 1997)が公開され、「エイリアン4」を上映しながら、
ニュージーランドで観た「エイリアン3」をふと思い出す程度でした。

それがです、個人的にはお気に入りの映画「パニック・ルーム」や「ソーシャルネットワーク」の
デビッド・フィンチャー監督が手がけていたのが「エイリアン3」だったと知り、
しかも「エイリアン3」には2005年の「完全版」があるのを聞き、
もう一度見返そうと、わざわざブルーレイ版をレンタルして観るに至ったのでした。

なぜ、ブルーレイ版かというと、レンタル用に出ているDVDでは「完全版」が置いてなく
ブルーレイ版には「劇場版」と「完全版」の両方が収録されいたからなんです。

「エイリアン3」の製作過程について書かれた記事を読むと、この映画は監督が途中降板したり、
フィンチャーシガニー・ウィーバーがうまくいかなかったりなど、かなり大変な製作だったらしく
フィンチャー監督の商業映画デビュー作としては、苦い経験になった作品だったようですね。

そのせいか「エイリアン3」完全版を観ても、やはりあんまり面白くなかった。

そもそも、ジェームズ・キャメロン監督の「エイリアン2」であれだけドンパチ、アクションが
ド派手に展開した後の話でもあり、「エイリアン」シリーズを続けるのには無理があったように
思います。

「エイリアン3」に関する様々なレビューを読むと、賛否両論ありで、その中には
「さすがは!デビッド・フィンチャー監督の演出」と絶賛するものもありましたが、
個人的にはデビッド・フィンチャー監督らしさは出ている映画ではあるが、
フィンチャー監督が本領発揮した映画ではないと感じました。

フィンチャー監督自身、この「エイリアン3」についてどう思っているかは過去の映画記事を
調べるしかないのですが、DVD化にあたって監督としてのコメンタリーを残さなかったのは、
「エイリアン」シリーズの監督の中で唯一、フィンチャー監督だけだったことを考えると、
なるほど・・・・と思います。

さてさて、そんな「エイリアン」シリーズですが、2012年の夏、「エイリアン」第一作を監督した
巨匠リドリー・スコット監督の手による「プロメテウス」(Prometheus)が公開されるようですね。

しかも、「エイリアン」シリーズが始まる前のお話だそうで、いわば「エイリアン 0ゼロ」の
ような内容。これは期待していいのかもしれません。

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