遅ればせながら、ようやく「グエムル」を見ました。
本国、韓国では1000万人近くの観客を動員したというヒット作。
監督はポン・ジュノ。主演に「シュリ」のソン・ガンホ、「空気人形」のペ・ドゥナ。
韓国での大ヒットとは逆に、日本ではイマイチだった本作。
監督のポン・ジュノいわく、「反米」を描きつつ、学生運動が盛んだった頃の混乱した韓国社会の姿も映し出しているという社会派なSF映画でした。
前述した韓国映画「チェイサー」と同様、微細なところまでリアリズムに力を入れた作品で、見応えはあります。
しかしー
恐らく、日本でウケなかった原因は、やはり暗い、重い、悲しいという負の三拍子が揃っている事が挙げられます。
また、日本で人気のあるイケメン韓流スターの不在と、映画のテーマの一つである韓国社会と反米については、日本の韓流ファンにはどうでもいいことだった事があるでしょう。
いまでもそうですが、日本における韓流ブームを支えているのは、イケメン韓流スターだけだと言う事を証明した形になったと思います。
また「グエムル」の一番の問題点は、怪物の造形があまりにもグロテスク過ぎる事があると考えます。
リアリズムに徹しているのはいいのですが、いかんせんチャーミングなところが全くありません。
リアリズム的には「エイリアン」の造形に近いのですが、このへんがモンスター造形の難しいところだと思います。
ただリアルなだけではモンスターファンの心は掴めないのです。
最後に、「チェイサー」と同じく、中年オッサンをかっこよく描いており、頭が弱いという役柄にも関わらずソン・ガンホの魅力は出ています。
うーん
あとはラストまでの展開がイマイチで、見た後に爽快感がないですね。
下水道での撮影がきっと大変だったのでしょう。
