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雑誌評:「Cinefex」No.16 Avatar特集号 (2010年3月25日発売)

雑誌評:「Cinefex」No.16 Avatar特集号 (2010年3月25日発売)

VFX専門マガジン、「Cinefex」を御存じですか?

「米国で25年の歴史を持つハリウッド映画の VFXマガジン」という、SF映画ファンにはたまらない
映画雑誌なんです。

記事の全てが最新のVFX技術を使った映画の
解説で埋め尽くされており、以前は横型B5
サイズという変わった雑誌でしたが、
最近の「Cinefex」は縦型サイズに変わりました。

今でも大切に「ブレードランナー」特集号や、
Star Wars 帝国の逆襲」特集号を保管しています。

一冊1500円と高い雑誌なため、普段は立ち読み
程度で終わらせ、よほど欲しいと思わないと
購入しないのですが、今回の記事はあの
アバター」という事もあり、つい購入して
しまいました。

個人的には映画「アバター」をそれほど高く評価
はしていません。

唯一、好きなシーンはラストのジェイクを助けた
ネイティリが言うセリフ、「あなたが見える」というシーンです。

しかし、「Cinefex」を購入してまで読みたかった
記事がありました。

キャメロン監督がこの映画のために制作
したという「バーチャルカメラ」の存在について
でした。

カメラを見ながらCGで作られたキャラクターや
背景をも同時に映し出す事ができるという
画期的なバーチャルカメラ。

記事の中には、「サイマルカメラ」というものも
登場してきます。

記事を読んで驚かされるのが、ハリウッド映画が映画
製作に注ぎ込むエネルギーとお金でした。

たかが映画です。しかし、アメリカでは映画が
産業としてちゃんと成立していることから、
お金をしっかりかけた、世界市場向けの映画製作
が可能なんですね。

カメラ開発からVFXを担当する会社まで、
一国レベルではなく、世界規模で映画製作が
行なわれている事もわかります。

映画「ロード オブ リング」で一躍有名になった
ニュージーランドの「ウェタ」というVFXの会社
やら、ジョージ・ルーカスILMやら、
SF映画の技術を支えている会社の名前が記事に
出てきます。

私がニュージーランドに住んでいた1992年当時は
ピーター・ジャクソン監督と言えば、
ニュージーランド出身の「悪趣味な監督」として
現地の新聞に書かれていたほど人気がなかったん
ですがねぇ。。

それがです、一本の映画で評価が180度変わって
しまい、おまけに羊しかいないニュージーランド
最新映画技術産業の中心地に変えてしまうのだから
映画の持つパワーは計り知れないものがあります。

映画「アバター」で驚くべきは、実は3D技術では
なく、登場するナビィ族のリアリティある肌の
テクスチャーだと思います。

大失敗作言われる日本映画「ファイナルファンタジー
が予告編で流れた時も、あのリアルなCGに驚いた
ものです。

しかし、今回の「アバター」のクオリティは
ただならぬ出来栄えです。

しかも現在の映画館で上映される最高レベルである
4Kデジタル上映でも見劣りしないクオリティを
保っているというから驚きです。

ただし、日本の映画館で4Kデジタル上映している
所はほとんどないはずですが・・・

専門用語ばかりで、読むにはマニアックな雑誌
「Cinefex」。

もし、興味があったら読んで見てください。