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映画「Fight Club」(1999)

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デビッド・フィンチャー監督作品「Fight Club」を久々に観ました。

ひさびさ、と言うのは、この映画を映画館で観たのはアラスカのアンカレッジにあるシネコン
センチュリーシアターで、1999年のアメリカ公開当初に観たからなんです。

当時の映画館の様子を思い出すと、平日の昼間に映画館に行ったので、お客は私とアメリカ人
数人だけ。ガラガラの映画館でこの映画を観たのでした。

よく覚えているのは、ヘレナ・ボナム=カーター扮する女マーラと、ブラッド・ピット扮する
タイラーが朝から晩までHをしているシーンがはじまり、二人の激しい喘ぎ声で再び眠れなくなる
エドワード・ノートン扮する主人公(名前は明かされていない)のシーンの所で、
映画を観ていたアメリカ人の中高年の男性が「なんてぇ、ヒドイ映画だ!」と言いながら座席を
立って帰って行ったという、ちょっとしたハプニングがアラスカの映画館であったからでした。

まぁ、最後まで観ると、タイラー=主人公だったんですがね・・・

で、私が最近、研究しているデビッド・フィンチャー監督の映像美のカラクリ。
スタイリッシュな映像美を作り上げる、フィンチャー監督の手腕を勉強すべく
メイキング映像を真剣に観ているわけです。

「Fight Club」のブルーレイ版にも少しだけメイキングが入っており、
本編よりも先にこのメイキングを見始めました。

なるほどー・・・・撮影の仕方はいたって普通のように見受けられるのですが、
フィンチャー監督はロケハンの時にしっかりとカメラポジション、アングルまでをしっかり
スタッフに伝えている様子が写っていましたね。

「Fight Club」の主人公のマンションが爆発して火災が起きているシーンがありますが、
あれは、実際にあるマンションにスモークを炊いて、本当に火事が起きているかのように
見せていたんですね。

などなど・・・書ききれないくらい、メイキング映像を繰り返し観ていました。

ちなみに、この「Fight Club」はチャック・パラニューク(Chuck Palahniuk)という人の
小説が原作。

ウィキペディア情報によると、この映画を観たスタンリー・キューブリックが「現代の時計じかけの
オレンジだ!」と絶賛し、フィンチャー監督はこの映画を「時計じかけのオレンジへのオマージュだ」
と語ったとか(正確な情報かは不明ですが)。

なるほど、あの「時計じかけのオレンジ」のオマージュ映画として「Fight Club」を観ると
また違った観点から映画を観る事ができるかもしれません。

そろそろデビッド・フィンチャー監督作品におけるスタイリッシュな映像美の仕組みが
わかりかけたような、そうでないような・・・

ただ、一つ言える事は、フィンチャー監督は数多くのミュージックビデオを手がけてきたせいか、
映像と音楽のマッチング(シンクロ)が凄く上手いんですね。

ブルーレイ版には、DVD版で削除されていた、問題の男性性器のカットがラストに入っていたり
(私はアメリカで観たので、モザイクなし、そのままを観ていますが・・・)
サブリミナル効果っぽい、タイラーの挿入シーンなども入っていました。

男臭い、いや臭すぎる映画「Fight Club」。
ラストまで男臭く終わるのかと思いきや、なんだ、結局は女性を選ぶのか・・・という
日本の男臭い映画の代名詞、「ヤクザ」映画とは違うのは、お国柄というべきなのかも
しれません。