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サザエさんの東京物語

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長谷川洋子著「サザエさん東京物語」と言う本を読みました。

以前のブログで、私は幼少期の頃から母から漫画「サザエさん」を与られて読んでいた事を書きました。

今回の本は、その漫画「サザエさん」の原作者である長谷川町子さんの妹、長谷川洋子さんが書かれた本です。

長谷川町子さんの「サザエさんうちあけ話」は、私のお気に入りの本ですが、この洋子さんが
書かれた本は知りませんでした。

長谷川まり子、町子、洋子と言う、長谷川三姉妹はNHKの「マーねーちゃん」として連続ドラマにもなっています。

このドラマの元になっているのは、「サザエさんうちあけ話」なんです。

この長谷川洋子さんが書いた内容は、言わば「長谷川家うちあけ話」的な内容でした。

姉のまり子さん、町子さんにふれつつ自らの事についても書かれていました。

洋子さんは晩年、町子さん、まり子さんと絶縁状態になっていた。
しかも長谷川家に関する遺産を完全に放棄していた。

長谷川町子さんが書き残した「サザエさん」による莫大な遺産を相続する権利を一切放棄してまで、
洋子さんが得たかったもの。

それは「自由」だったそうです。

愉快なサザエさん一家と言う、漫画の架空な話とは打って変わり、戦前、戦後を女家族で
必死に生き延びてきた様子が、この本を通じて伝わってきます。

なかなか作者自身が冷静、客観的に自らの事を語るのは難しいもの。

長谷川町子さんの「うちあけ話」とは異なる視点で、妹ととして書かれた別冊的な「うちあけ話」でしたね。

ただ、あの「サザエさん」の名前の由来が、町子さんが愛読をしていた志賀直哉の「赤西蠣太」に登場する、
御殿女中の名前「小江」(さざえ)であったことと、疎開先の福岡が海に近かった事からきていたとは
知らなかったですね。

「うちあけ話」では、福岡の海岸に妹、洋子さんを連れて散歩をしている時に「サザエ」と
思いついたものと書かれてあったのは覚えていたのですが。

最近、縁あって長谷川町子美術館のある桜新町に頻繁に行く機会があり、再び「サザエさん」に
想いを巡らせていました。