STUDIO F+のPhoto Blog

デジタル映像スタジオSTUDIO F+の写真専門ブログです

映画評「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」

イメージ 1

クリストファー・ノーラン監督の「INCEPTION」を
観た後、あれ?!どこかで同じような映画を観た
気がしたなぁ、と思い返した映画が三本ありました。

一つが今敏監督の「パプリカ」(筒井康隆 原作)で、
もう一つが「カウボーイビバップ 天国の扉」。
そして、最後にこの「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」でした。

この映画「うる星やつら2 」の監督はあの押井守
今では押井守監督と言えば「攻殻機動隊」かも
しれませんが、私が中学生当時、押井守と言えば、
うる星やつら」の押井守だったのです。

うる星やつら」は元々、高橋留美子さんの漫画
が原作で、少年サンデーに連載されていたギャグ
漫画でした。

諸星あたるというナンパな高校生男子と、宇宙人
ラムちゃんの恋の駆け引きがベースとなっている
物語に、メガネ、面堂、しのぶ、さくら等々の
個性的キャラが繰り広げるドタバタラブコメでした。

ところが、押井守監督の「うる星やつら2」は、
夢を物語の中心に置いた不可思議な世界を描いた
作品だったのです。

のちに押井節と言われるようになる、この世界観は
うる星やつらのキャラクターを使った、押井監督
独特の演出方法につながっていきます。

しかも、音楽を担当している星勝氏の奏でる音楽も
素晴らしく、夢の中の世界に観客を取り込んで
いきます。

残念ながら「ビューティフルドリーマー」の
サントラCDは廃盤となっているため、現在は入手
困難です。

星勝氏はジブリの「おもひでぽろぽろ」や
薬師丸ひろ子の「セーラー服と機関銃」の音楽も
担当してたりします。

原作者の高橋留美子さんはこの映画は嫌いだそうで
押井監督の「うる星やつら」に仕上がっていると
言われたそうです。

映画では夢か?現実か?という境目が曖昧に
描かれており、アニメならではの演出で不可思議な
世界観を表現していると思います。

押井演出の特徴である長セリフ、キャラクター
それぞれにあった台詞まわしが必見で、特に妖怪
無邪気はコテコテの関西弁をしゃべるのだから
たまりません。

映画の内容は観てからのお楽しみということで、
最後に、エンディングに流れる松谷祐子さんが歌う
「愛はブーメラン」が、これまたインパクトのある
歌で、劇場公開当時、中学生だった私は意味が
イマイチわからなかったくらい、大人の歌だった
事を覚えています。

是非、一度観て下さい。「INCEPTION」との接点は
ともかく、アニメで表現された夢うつつの世界は
なかなか必見ですゾ。