ロンドンを拠点に活動する
エリオ・エスパーニャ(Elio Espana)
監督が脚本、編集を手がけた
1時間52分のドキュメンタリー映画
「バンクシー 抗うものたちのアート革命」
(原題:BANKSY AND THE RISE OF OUTLAW ART)2020年
を観ました
日本語公式サイト(日本公開は2023年5月19日)
ストリートアートの始まりとバンクシーの登場などストリートアートの歴史とアートと社会の関わりについて簡潔にまとめられたドキュメンタリー映画でした
個人的にストリートアートに興味がなかったもののバンクシーと呼ばれる匿名アーティストへの関心から観てみました
ウィキペデアによると
ストリートアート(street art )とは
街をカンバスとしてペンキやスプレーで描かれる落書きの事英語ではgraffiti(グラフィティ)とも呼ばれることもある
映画によるとストリートアートの発祥は
アメリカのニューヨークらしく
それに影響を受けたイギリスやフランスの若者がストリートアートを「タグ」と言われるイニシャルや文字に絵が描かれたgraffiti(グラフィティ)からよりビジュアルが絵画的なアートに変貌していく
私がこの映画で注目したのは
ストリートアートの根底にあるのは
社会や政治に対する反抗精神的な要素が
含まれているという点です
特にバンクシーが出現したイギリスでは
1989年サッチャー政権が強行的に導入した
「人頭税」に対する反発が大きく
ストリートアートもより社会的なメッセージを含むものへと変化していきます
(イギリスの人頭税は1993年に廃止される)
(注)イギリスの人頭税とは
従来の固定資産税に代るもので所得額に関係なく18才以上の住民が一律に支払うもの
バンクシーの考え方に
アート(芸術品)が一部の金持ちや
富裕層、特権階級が所有するものという点に
徹底的に反発していることや
声なき社会的弱者が
政府や社会、富裕層に対して
自らのアートを通じて反発の声を
あげるというやり方に
個人的な共感があります
一部ストリートアートの破壊行為
いわゆるヴァンダリズム(Vandalism)
公共または私有財産を故意に破壊するアート行為は決して容認できませんが
アートや映画などを通じて
政治や社会批判をすることは
必要不可欠なことだと感じています
とりわけ
映画はエンターティメント性が注目されがちですが映画が社会的なメッセージ性を持たなくなったとしたら映画で表現する意味がないと思っています
この映画の中で
バンクシーが故郷ブリストル美術館で
自身の展覧会を行った様子が描かれており
ナレーションで
「いつか弱者が成り上がるというバンクシーのメッセージが現実になったのです」と表記されているのを見るにつけ
バンクシーは2000年代のアートシーンの中で
成功した人物の一人だと言えるでしょう
しかし
今やバンクシーのアート作品は本人の意に反し高額で富裕層や有名人によって取引されているという皮肉な現状があります
ストリートアートからのしあがったバンクシーは果たしてこれからどのようなアートを生み出していくのか?
弱者側に立った社会的なメッセージを発信し続けていけるのか?注目したいと思います。
「バンクシー 抗うものたちのアート革命」
(登場人物)
BANKSY(バンクシー)
イギリスを拠点に活動する正体不明のアーティスト。世界中の都市の壁、橋などを舞台にして神出鬼没の作品を発表。イギリス西部の港湾都市ブリストル出身とも言われている
Steve Lazarides(スティーブ・ラザリデス)
1969年イギリス出身の画商。
バンクシーの代理業者として知られる
なお、公に理由は説明されていないが、ラザライズとバンクシーの関係は2008年に解消している
Steve Lazarides(スティーブ・ラザリデス)公式サイト
Ben Eine(ベン・アイン)
1970年イギリス出身のストリート・アーティスト。Banksy とはストリートでのペイント活動だけではなくビジネスも共にしP.O.Wではマスタープリンターとして数々の作品を世に送り出した
など
(映画の内容)公式サイトより
世界で最も有名なアーティスト・バンクシー。彼が築き上げた帝国、そして影響を与えてきた数々の運動。その裏側に迫ったドキュメンタリー映画がついに日本初上映!
彼が世に放った政治的芸術、犯罪的スタント、大胆な侵略は、20年以上にわたって社会体制や支配階級を激怒させ同時に大衆を魅了し続けてきた。
しかし、彼自身の人生についてはほとんど知られておらず謎に包まれている。本ドキュメンタリー映画「Banksy & The Rise of Outlaw Art」では、犯罪サブカルチャーのルーツからアート革命のリーダーとしての彼の姿まで、
知られざるバンクシーのストーリーが明らかになる。
余談ですが
この映画よりも10年前の2010年に
バンクシーが自ら手がけた映画もあります。
Exit Through the Gift Shop
(イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ)
第83回アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門にノミネート
https://www.imdb.com/title/tt1587707/
こちらの映画はまだ未見です。
最後に
ロシアの独裁者プーチンおよび
プーチン支持者に厳罰を!
ウクライナに平和を!
イスラエルとガザの紛争が早急に終結しますように!
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