撮影秘話を小休止して、本日鑑賞した、世界の絵本展の話をしましょう。
西新宿の損保ジャパン東郷青児美術館で開催している、「ミリオンセラーの絵本原画と世界の絵本画家たち」に行ってきました。
日本を代表する絵本作家、いわさきちひろ氏のちひろ美術館とタイアップして開催された展示には、夏休み最後の週末ということもあり、多くの親子が訪れていました。
絵本と言えばお母さんが子供に読んで聞かせてあげるイメージがあるとおり、来場者には母と子供という組み合わせが多く見られました。
絵本は子供だけのもの。
いえ、決してそれだけではないと思います。
ストレス社会に生活する大人たちにとっても絵本はある意味、心を癒してくれる存在として注目されてきているのだと思います。
私は一人で展示会場を見て回りましたが、小さな子供たちの視線より高く展示された絵本の原画を見るにつけ、大人の視線で見て歩くように設置されているんだなぁと、少し不思議な感じました。
世界中から集められた絵本の原画を見ると、人間のイメージは無限なのだという事に改めて気がつきます。
絵本の原画には、様々な色、形が、まるで生き物のように、縦横無尽に描かれています。
ある原画は緻密に、またある原画は大胆な構図で、またある原画は、子供が書いたような幼い絵で描かれていました。
私は映像をカメラで撮影して物語を作っています。
私が絵本に注目しているのは、その無限なるイメージの自由性です。
何を描いてもいい。
ここに創作のヒントがあるように思います。
鑑賞しながら、隣で会話している内容を聞いてみると、「あ、これはかわいい」とか、「この絵は怖いね」という感想が聞こえてきました。
どうやら、絵本=かわいらしいもの と言うイメージが強いらしく、リアリティがある原画や、「可愛くない」原画は人気がないようでした。
続く