私がアラスカの大学でアメリカ人に日本語を教えていた時の話です。
大学の中級日本語クラスに来ていたアメリカ人学生に、なぜ?日本語を勉強するのか質問したことがあります。
すると、口々に日本文化に興味があるからとか、将来日本とビジネスをしたいからという、いかにもまっとうな答えが返ってきました。
しかしー
実は彼らの本音を探ると、「日本のアニメを見た影響が大きい」とか、「日本人女性はアメリカ人女性よりも、男性に尽くしてくれそうだから」という答えが、教室以外で聞けたのでした。
ある19才のアメリカ人男子学生からは、「エヴァンゲリヲンを見て、日本語でこのアニメを100%理解したかったから、日本語をマスターしたいんだ」ときっぱり言われた事があります。
昔は「富士山、芸者に侍」だった日本の代名詞が、今では「アニメ、漫画に日本人女性」なのかもしれません。
悲しい事に、日本人男性は第二次世界大戦の悪いイメージを払拭できていないような気がします。
また、外国人が日本に憧れるものは、日本製電化製品とか、アニメ、漫画など、日本人の顔がストレートに反映されないものばかりだと思います。
もちろん、「やまとなでしこ」伝説を信じる外国人からすると、今でも日本人女性は男性より一歩後ろを歩くと思っているのかもしれませんが、お気の毒様です。
欧米化を進めてくれたおかげで、そのような日本人女性は小津安二郎の映画の中だけでしか生きていません。
アメリカから来たオタクの撮影秘話に話を戻すと、エイドリアンを見ても、彼が憧れる日本とは、実際の日本人ではなく、また伝統的な日本文化でもない、日本のポップカルチャーだったりするのです。
当然、いまだに日本の伝統文化、歌舞伎、相撲などに興味を示して来日する外国人はいますが、マイノリティになりつつあるよう思います。
続く