映画評「コララインとボタンの魔女」2D版
映画評「コララインとボタンの魔女」
恵比寿ガーデンシネマで、2D版を観てきました。
監督・脚本があの『ナイトメアー・ビフォア・クリ
スマス』のヘンリー・セリック。
人形アニメの劇場版を「コープス・ブライド」以来
久しぶりに映画館で観ました。
一コマ、一コマを気が遠くなるくらいの時間を
かけて撮影する人形アニメ。
「コラライン」の見所の一つは、なんと言っても
デザインの素晴らしさでしょう。
コンセプト・アートに日本人の上杉忠弘氏を起用
し、独特な世界観を表現しています。
お気に入りのシーンは、ネズミのサーカスと
元女優の二人組が演じる大劇場のシーン。
大劇場の観客はコララインとワイボーン以外は
200匹ちかくの犬達という設定もユニークでした。
CG映像全盛期のこの時代。ある意味なんでも
できるてしまえるわけですが、あえて手間の
かかる人形アニメを制作するなんて、スゴイ事
だと思います。
映像雑誌「映像+08号」に、コララインの
メイキングについて詳細が掲載されていますが、
ベルギー、イギリスなどの国々から人形アニメの
エキスパートが集結して、約一年八ヶ月の歳月
をかけて制作したとのこと。スゴイ。
コララインのカメラワークも素晴らしく、
人形アニメなのにカメラがよく動いているのには
驚きました。まるで実写映画を観ているかの
ようでした。
コララインの物語は単純で、謎の扉の向こう側には
別の世界が広がっていたというもの。
日本の宮崎アニメ「千と千尋の神隠し」を連想
させるシーンも無くはないですが、人形アニメ
でしかできない表現を追求していることは
アッパレの一言です。
セリック監督は最初から3Dで撮影する事を
意図していたそうですが、残念ながら私は
3D版は観ていません。
3D版だと入場料が高かった事、日本語吹き替え版
だったという事で断念しました。
今回2D版で鑑賞しましたが、オリジナル版の
声で見れたのがよかったですね。
コラライン演じるダコタ・ファニングは
イメージ通りだったのではないでしょうか。
よかったです。
最後に、今までずーっと「ナイトメアー・・」の
監督はティム・バートンだと思ってましたが
実はヘンリー・セリックだったんですね。。