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映画「Hereafter」(ヒア アフター)

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2010年度公開作品(日本公開は2011年)、クリント・イーストウッド監督、主演マット・デーモンの「Hereafter」(ヒア アフター)を見ました。

遅ればせながら…なんですが、なかなか観る機会や時間がなく、ようやく観ることに。

ストーリーはすでにご覧になった方が多くいると思うので省略します。

必見なのは、オープニングの津波シーン。

日本では311の大震災があったので、このシーンを見るのは辛いものがありました。

ただ、この映画は自然災害を主役にしたパニック映画ではないので、オープニングからあとの物語はヒューマンドラマがメインに語られていきます。

この映画の製作にあたり、脚本家ピーター・モーガンの書いた脚本を、スピルバーグ監督から渡されたというクリント・イーストウッド監督。

イーストウッド監督曰く、「死後の世界があるかどうか、真実は誰にも分からない。ただ、人は誰も与えられた人生を精一杯生きるべきだと、私は常に信じている。」

と語っているように、亡くなった人と話ができるという特異な能力を持ったために人生を苦しんでいた男と、津波で臨死状態を体験した女、そして事故で兄弟を失った少年の三人の物語が同時並行に進むこの映画は、ある意味、サイキック的、オカルト要素が盛り込まれた物語でした。

しかしながら本作品は、「死んだ人」と話ができる霊媒師の特殊性を強調した展開ではなく、「死後の世界」の有無について議論するわけでもなく、ただ淡々と物語が語られていくという、クリント・イーストウッド監督作品ならではの仕上がりになっていました。

あるブログにて、この映画のハイライトシーンについての見解を述べた、映画評論家としても有名なライムスター宇多丸氏の意見に対しての反論や、マット・デーモン扮する霊能力を持った男ジョージは実は霊能力を持っていない詐欺師であり、それ故に自身の罪に苦しんでいるのでは?などの感想を見るにつけ、この映画を観た人の感じ方はさまざまなんだなぁと思いました。

そもそも一本の映画から受け取るメッセージやら、感動やらは、やはり人それぞれで当たり前な事なんですが。

私はライムスター宇多丸氏の「ジョージは少年に嘘を語ったのではないか」とする意見には疑問でしたし、ジョージが偽者の霊能力者であると見た感想にも疑問でした。

この映画のラストシーンに、これまでジョージが「死後の世界」という「過去」にしか目を向けらなかったのに、一人の女性に出会った事をきっかけに、自分の明るい「未来」を初めて思い描く事ができるようになったとあるのは、この映画では、ジョージは本物の霊能力者として描かれているのだと感じました。

Movieinfoによると、当初この映画に書かれた脚本のラストシーンについては、スピルバーグ監督から反対があったようで、クリント・イーストウッド監督が脚本のラストを気に入っていため、現在のままのラストになったそうです。

マット・デーモンがこの映画について「イーストウッド版フランス映画」と呼んだように、最後はロマンチックな男女の恋愛ものとして語られていました。

個人的な体験としては、過去に「死んだ人」が本当に見えるという女性に会った事があり、霊の有無は否定しますが、人間の隠された(失われた)能力の一つとして確かに存在するものだと思っています。

あ、そう言えば…人の手に触れるだけで、その人の過去にやってきた出来事が見えるという映画「アンブレイカブル」(Unbreakable, 2000年公開)がありましたね。

こちらは、最近ヒット作に恵まれないナイト・シャマラン監督とブルース・ウィリスサミュエル・L・ジャクソン主演の作品で、私の大好きな映画の一本だったりします。