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クエンティン・タランティーノ「ヘイトフルエイト」

クエンティン・タランティーノ監督の第8作目「THE HATEFUL EIGHT」を観ました。
前作「Django Unchained」に続いての西部劇。
しかも今回は密室スリラーという触れ込み。

映画にこだわるタランティーノらしく、スーパーパナビジョン70mmというフィルムカメラ
全編撮影され、本編はなんと167分!!

予告編、メイキング映像を事前に見ていたので、それなりの期待をして映画館に。
残念ながら70mmのフィルム上映は日本では行われず、デジタル上映でみました。
はたしてその結果は・・・

一言いうと、タランティーノの原点である「レザボア・ドッグス」となんら変わりが
ないということでした。
決して密室スリラーとは呼べない、ラストの凄まじいグロいアクションが売りの
タランティーノ・ムービーでした。

つまんないか?と言えば、167分の尺を使ってみせるほどの映画ではないですね。

マカロニウエスタンの影響を受けているらしい、タランティーノの西部劇なんですが、
前作の「ジャンゴ」と比較しても、見せ所が少ない映画なんです。
もう少しなんとかならなかったものか・・・

元々は2014年にクランクインするはずの映画だったそうですが、脚本がネットに流失し、
タランティーノが怒り、製作が中止になったという経緯があるそうで、
再度クランクインするにあたり、脚本を変えたため、はたしてその結果が吉と出たか凶と
出たか・・・

マカロニウエスタンならではの、激しいガンマンの撃ち合いを期待してこの映画を見ると
ガッカリすることになります。

一夜の山小屋を舞台にした密室劇であるため、駅馬車が疾走するシーン以外は
ほとんど画が変わらないという、かなり窮屈な映画でありました。
そのため、スーパーパナビジョンで撮影したという映像も、あんまり意味がないような気が・・
マニアにしかわからないマニアックなシーンは満載ではあるんですがね。。

アメリカでも日本でもそうなんですが、時代劇、西部劇は作りずらい環境になりつつあります。
何処を見渡しても電線があり、車が走っていたりと非常に難しい撮影であったと思います。

しかし・・
西部劇を描くのなら、もっと単純明確に描いて欲しかったなぁと思います。
スカッとするものがまるでない、グロいシーンばかり頭に残るという、
残念なタランティーノ西部劇でした・・・
それでも、タランティーノ映画のファン達は大喜びでしょうがね。

せっかくなら、ラストはクリントイーストウッドがシークレットゲストで登場して、
15人のギャングに取り囲まれた山小屋で、憎しみ合っていた白人と黒人が手を結ばざる
おえない状況の中、激しい銃撃戦が繰り広げられて、さあ、ラストは生き残った者同士の
一対一の対決でおしまい!
そんな映画を個人的には見たかったですね・・

タランティーノ出世作レザボア・ドッグス」のラストも密室劇でしたが、
そのまんまが今回の「ヘイトフルエイト」だったような気がしました。
原点に戻ったタランティーノ・ムービーですかね。

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