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浦沢直樹の漫勉

たまたまある人とお茶をしている時の話。

映画の話から漫画の話になり、実は私は映画に夢中になる前は漫画家になる夢を
持っていたと熱く語ったところ、その人がNHKEテレ浦沢直樹さんが漫画家と
対談している番組って知っていますか?と。

浦沢直樹さんと言えば、MONSTERやプルート、YAWARA、映画にもなった
21世紀少年を描いた売れっ子漫画家。

浦沢さんが世間的に知られる20年以上前、私は本屋で購入したのが、
浦沢直樹短編集という漫画で、そこからパイナップルアーミーを読み、
MONSTERを読んだりしていたので、浦沢直樹は知っていました。

浦沢漫画の特徴は独特な細い線でキャラクターを描くこと。
また、濃密なドラマが描かれていることも特徴の一つでしょうか。
ただ、個人的には最初は面白いがラストが全然面白くないという致命的な漫画家だよなぁと
思っています・・・

そんな浦沢さんがNHKに?
しかもEテレ

その人が勧めてくるので、興味本位で浦沢直樹の漫勉をみてみることに。
どうやら2016年からは毎週木曜日、夜23時から放送している模様。

私が見た回は、漫画家、五十嵐大介さんの回でした。
多摩美大卒、埼玉県出身の五十嵐さん。
有名な作品は、海獣の子供、魔女など。

いやー面白いテレビ番組でしたね。
五十嵐さんの自宅にカメラを入れ、漫画を描いている姿をずーっと撮影しているのですが、
この感覚がたまらなくいい感じ。

普段は決して人には見せないであろう、漫画家の作画をしている姿を見ることができ、
しかも、本人のアトリエも公開しているので、作家や漫画家のアトリエを見ることが大好きな
アトリエ・マニアな私にとっては、食らいつくようにして映像を見入ってしまいました。

余談ですが、むかし、藤子F不二雄さんのミュージアムに行った時も、再現された
藤本さんのアトリエコーナーをずーっと眺めていました。

五十嵐さんの漫画は読んだことないのですが(最近は漫画を全く読まなくなったので・・)
丸ペンを使って下書きにペン入れをしている姿は非常に興味深かったですね。
カリカリ(藤子A不二雄さんのまんが道でよく出てくる音ですが)というケント紙と
ペン先が擦れる音があるのですが、実際、丸ペンでケント紙にペン入れをしている時の音は
むしろ、ガリガリガリという、何かを削っているような音がするんですね。

しかも、五十嵐さんの特徴は、通常の漫画家が使用するGペンや丸ペンだけではなく、
ボールペンを使用して絵を描いていました。

番組では、浦沢直樹さんが五十嵐大介さんと対談をしながら、VTRを見るという形で
浦沢さんが五十嵐さんに質問して、五十嵐流の漫画の描き方について分析をしていました。

美大卒だからというわけではないのかもしれませんが、五十嵐さんの漫画はアート系
でしたね。
独特な世界観と、絵画のような絵。
1枚のシーンに4時間をかけて、ガリガリと絵を仕上げて行く姿を見て、
ああー漫画家ってすごいなぁと、改めて感心してしまいました。

イメージ 1


これはいいドキュメンタリーですね。
映画でもメイキング映像を真っ先に見る私ですが、漫画家のメイキングシーンって、
今後とても貴重な映像アーカイブだと思います。
私が好きな漫画家、手塚治先生の漫画を描いている姿もメイキングシーンで
はっきりと見てみたかったなぁと思うのです。(少し記録映像で残っているようですが)

漫画家からすると、自分の作画作業を記録されるのは、クリエイティブな裏側を
さらけ出すことになるので、嫌がる漫画家さんも沢山いるのでしょうが。
でも、長い目で見た時、この時代にこんな漫画家がいて、こんな作業をしながら
一つの作品を作り上げていったという記録は貴重だと思います。

浦沢直樹の漫勉、ぜひご覧ください。
最近はまったくテレビも見ない私ですが、この番組だけはDVD化してほしいと思いました。

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