ベルギー幻想美術館展の話しの続きです。
ポール・デルヴォーの絵画は、目の大きな裸体の女性が描かれているのが一つの特徴です。
私がなぜポール・デルヴォーの絵画が好きなのかというと、マグリットの絵画と同じく、不可思議なところです。
デルヴォーは、彼を溺愛する母親により、「女性は恐ろしいもの」だと教育されたとあります。
しかし、デルヴォーは男であるが故に、女性に対しての憧れを捨て去るわけにはいかず、女性への恐怖と憧れ、という反する二つの思いが、彼の絵画に描かれています。
私が個人的にデルヴォーの絵画に惹かれるのはこの点でした。
私も女性に対し、ある種の恐怖と憧れを持ち続けています。
私が制作した映画に登場する女性は美しく、それでいて何もかもを支配しようとする人物として描かれています。
デルヴォーの絵画で言えば、女性への憧れをその白い肌と乳房で表現していると思います。
その反面、女性への恐怖を女性を異空間に立たせる事により、近付きがたい存在だと表現しているように思います。
デルヴォーは絵画で、女性という生き物の複雑さをとらえていたのかもしれません。