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芥川龍之介の旧居跡を訪ねて

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以前のブログでも書きましたが、芥川龍之介の本を
読むのにハマッている私は、芥川龍之介の旧居跡を
訪ねてみることにしました。

場合は東京、田端。

まずJRの田端駅そばにある田端文士館に行き、
芥川龍之介の旧居跡の場合を確認。

田端駅からすぐの所にある高台に旧居跡があるとのことでした。

貰った地図を片手に、急な坂になっている所を
登っていきました。

新潮文学アルバムの中に、芥川は二階から眺める
風景がお気に入りだったとあります。

現在の田端付近はビルが建ち並び、高台に登っても
遥か先に見えるのもビルばかり。

芥川が生きていた昭和初期の田端は畑があったと
ありますから、今とは全然違う風景が広がって
いたのでしょう。

高台に登り、地図の通りに行くと、そこには住宅街
がありました。

別の本によると、今でも芥川邸にあった木が
残っていると写真付きで掲載してあったので、
それを頼りに探しました。

すると、狭い路地に写真で見た木がありました。


そして、その先に芥川龍之介旧居跡と書かれた
インフォメーション・ボードがポツンとありました。

ボードの真横にはアパートが建っており、ここに
芥川の旧居があったとは思えないくらい変わり果てていました。

芥川が自殺したのが昭和二年の事ですから、
あれから80年以上が過ぎており、当然と言えば当然
の事なのかもしれません。

最近、芥川の遺稿となる「歯車」「或阿呆の一生」を
読みましたが、ノイローゼ気味なのがはっきり
わかる文章で、芥川が苦しみ抜いた末に書き残した
作品だと感じました。

天才と評価された芥川の一生は果たして幸福だったのか?

今では跡形もなくなった旧居跡に立って、ふと
そんな感慨に耽りつつ、風情が全くない街へと
変貌を遂げた東京という街の悲しい姿を見ていました。