(ネタバレありです)
映画「エヴァンゲリヲン新劇場版:Q 」の感想でもひとつ。
個人的な感想としては、前作「破」の方が面白かったですね。
劇場版アニメとしては異例の四作も続けて製作され続けているせいか、
今回の「Q」は次回作の単なるつなぎの映画でしかないと感じました。
「破」の方は、ユーモアとシリアスのバランスがよくできていたように思います。
「Q」は、オリジナル版(TV版、過去の映画版を含めてですが)とは違う物語を
描こうとした苦労がうかがえます。
それが故にか、一本の作品としては粗が多い作品に仕上がっているなぁと。
それもそのはず、この作品の監督に名前を連ねているのはなんと4人も!!
庵野秀明(総監督)
一本の映画で4人の監督がオムニバスでなく、一つの作品を手がけているのも
珍しいですね。最終的には総監督である庵野秀明氏がまとめたんだとは思いますが、
よくまぁ、意見の対立などをまとめて一本の作品に仕上げたものです。
ただ、前作「破」からどう新しい物語をつなげていくのか?
ここが一番興味があったところでした。
「Q」の物語は「破」の14年後の物語として始まります。
なるほど、このあたりはさすがです。
ただ、アニメの悲しさか、14年経ってもメインのキャラクターたちは
少年、少女のまま(どうやらエヴァに乗ると年をとれなくなるようで・・)。
後付けの説明が何やら多くなったりするのも、過去に作品があったりするからなのか?
物語の展開はわかる人にはわかる、わからない人にはまったく意味不明な展開を
どんどん続けていきます。
このあたりはTV版でもご存知のとおりですが、こうも観客を突き放したような
演出も珍しいと言えば珍しい。
そしてー
次回作がおそらく最終回になるであろうきっかけだけを見せて、「Q」は終わっていきます。
シンジ、アスカ、レイの危ない三角関係を残したまま、その三人の放浪の旅が始まるのでした。
すでに観客動員数が100万人を突破した!などとマスコミで取り上げられていますが
やり手な支配人がいるTジョイ(東映系)が配給をしているのだから、当たり前と言えば
当たり前の記録かもしれません。
前作まで配給を手がけたクロックスワークはどうしたんですかね?
復活できてしまうのが、ビジネスとしては旨味があるんでしょうね。
実写映画になるとそうはいきません。
さて、次回作はどんな展開を見せるのか?
期待せずに待つ事にします。