STUDIO F+のPhoto Blog

デジタル映像スタジオSTUDIO F+の写真専門ブログです

映画「アンリ・カルティエ=ブレッソン 瞬間の記憶」

イメージ 1


[photo:01]

有名なフランスの写真家、アンリ・カルティエ=ブレッソン(Henri Cartier-Bresson 1908~2004)のドキュメンタリー映画を観ました。

私はアメリカのアラスカ大学で少しだけ写真の勉強をしていた時に、ブレッソンの写真を何枚か授業中に見たことがありました。

個人的には、ブレッソンらが立ち上げた「マグナムフォト」のロバート・キャパの写真をよく見ていたので、今回改めてブレッソンの写真を映画で見る事に。

ブレッソンはライカのカメラを使用していたらしく、自らを「写真家」とは呼ばず、「報道カメラマン」であるとの認識が強かったそうです。

それにしても、映画に出てくるブレッソンの写真は芸術そのもの。

素人ながら、写真の構図の凄さに驚きました。

滅多にマスコミのインタビューを受ける事はなかったと言われるブレッソンですが、このドキュメンタリーは珍しく長いインタビューを受け、自分の写真について語っています。

印象的だったのは、有名なデザイナー、ココ・シャネルを撮影したエピソードで、ブレッソンが撮影した時に唯一見せた笑顔の瞬間をカメラにおさめることができたものの、ブレッソンがシャネルのライバルについて話をした途端に機嫌が悪くなり、シャネルはその後、ずーっとムッツリした表情だったとありました。

ブレッソン曰く、「あれは失敗だったな…」と。

残念な事に、このドキュメンタリーでは、ブレッソンがカメラを握り、写真を撮影している姿がなかった事でした。

ほぼ、ブレッソンのインタビューと、絵画を鑑賞している姿ばかりで、後はブレッソンにまつわる女優や、小説家、写真家のコメントで構成されていました。

出演していたのは、フランスの女優、イザベル・ユペールアメリカの小説家、アーサー・ミラー(マリリン・モンローの旦那!)など。

ちなみに、この映画を見るきっかけになったのは、最近読んだ新潮文学アルバムに、ブレッソンが撮影した安部公房ポートレート写真があったからでした。

ブレッソンは1965年に日本を訪れており、日本でも多くの写真を撮影しています。

ブレッソンの写真集「『決定的瞬間』(英題:The Decisive Moment、仏原題:Image ? la sauvette(「逃げ去る映像」)は絶版で手に入りませんが、いつか見てみたい写真集です。