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映画「紙の月」

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空中庭園」「八月の蝉」の角田光代さん原作の小説「紙の月」を吉田大八監督が
宮沢りえさんで映画化したものを、ようやくDVDで観ました。

角田光代さんの描く小説は読んだことがないのですが、小泉今日子さん主演の「空中庭園
は映画で観たことがあります。

女性を描く、しかもかなりワケありの女性をトコトン描くのが得意な作家さん
なんですかね?

映画「紙の月」を観ようと思ったのは、お金を横領し、自分の欲望のまま突っ走る
主婦という設定が気になったからでした。

また、映画の予告編でみた、変わり果てた姿、表情をみせる、宮沢りえさんの
お芝居がとても気になっていたからでもあります。

銀行マンがお金を横領し、ギャンブルや男(または女)に使い込むという話は
現実世界でもよくあるニュースではあります。

ウィキペディア情報をそのまま鵜呑みにすると、角田光代さんはこの小説を書く前に
実際あった銀行員の女性がお金を使い込みをした事件を調べたところ、大抵が
男に貢ぐという形になっていることに違和感を覚え、お金を介在してしか恋愛が
できなかったという能動的な女性を描きたかったとありました。

なるほど、今回の映画版も年下の男との歪んだ恋愛が淡々と描かれていましたが、
かなり強引な二人の出会いと、男女関係に突っ走る二人の姿の描き方には疑問が残りました。
まぁ、映画という限られた時間の中で表現しないといけないので、仕方がないのでしょうが。

また、吉田大八監督の他の作品は知らないのですが、スローモーションを多用した映像には
納得できたり、できなかったりしました。

小説とは異なり、かなり脚色がされているそうで、宮沢りえと対立する女として
小林聡美さんが演じているのですが、腹話術の人形みたな顔はホラー映画かっ!という怖さ。

意外なラストをもってくるあたりは映画としての表現を貫いた感があります。

私ならどう描くか?と考えてみたところ、主人公が女性というのは描きにくいので
やはり、ラテンの女に何億も貢いだ男性を主人公にした、男版「紙の月」を描いて
みたいなぁと思いました。

主人公が女性だと、カネ、男の関係が暗く、重い話になりそうなので、
欲望に突っ走るバカな男をブラックコメディタッチで描きたいなぁ。
徹底的にバカでいいのかなと。
ふと、そんな映画を作って見たいなぁと考えながら映画を見ていました。

「紙の月」はよく出来た映画なんですが、そこかしこにホラー映画のティストが
入っているのはなぜなんですかね?(笑

宮沢りえさんの凍りつくような表情は気の毒を超えて、やはりホラー映画でしたね。

まぁ、そのくらい覚悟を決めた、女優としての宮沢りえさんの気合がお芝居に入って
いたんだと思いますが。

大島優子さんのお芝居はどうなんですかね?
ニヤッと笑う、大島スマイルもやはりホラーでした(笑

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