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石井裕也監督、最年少でのブルーリボン監督賞の受賞、おめでとう!

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【映画館物語2007-2008より 石井裕也 監督】

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【映画館物語2007-2008より 松本俊夫 監督】

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川の底からこんにちは」の石井裕也監督が、ブルーリボン監督賞を最年少で受賞したとの
ニュースを聞いた時は、「ああーやっぱりな」と思いました。

石井監督との出会いは日芸大学院時代の時でした。

数々の実験映画を手がけ、映画「ドグラ・マグラ」の監督、松本俊夫先生のクラスを受講した時に
たまたま同じクラスメイトだったのが、石井裕也さんだったのでした。

大学院の授業だったので、松本先生、石井さん、私の三人で授業を受けた事を、今でもよく覚えて
います。

まだ当時は、ぴあフィルムフェスティバルのグランプリを受賞する前だったので、石井さんの
印象は、物静かな、それでいてドッシリとした存在感がある人だなと思いました。

松本クラスでは、私と石井さんはあまり会話をする事はありませんでした。

私は石井さんの大阪芸大卒業製作「剥き出しにっぽん」が学生映画祭のグランプリを
とったという事を聞いていましたが、彼の実力はどの程度なのか全く知りませんでした。

ある日、日芸の大学院棟で石井さんと話す機会がありました。
現在の日本映画の現状、インディーズ、自主製作映画を続ける困難さについて話しました。

その流れで、私は石井さんが製作した新作「ガール・スパークス」のDVDを見せてもらえること
になりました。

その作品を見た私の感想は直感的に「石井監督はスゴイ!自主制作とは言え、レベルが高いな」と
感じたのでした。

知人の韓国の映画監督や、友人の監督に石井監督作品を見せたのですが、友人らの石井作品の
評価は低く、「普通じゃないか」とか「特に映像がすごいわけでもない」といったものばかり。

いえいえ、石井裕也監督はこれからの日本映画を背負って立つ監督になると思うよ、と私は
思っていました。

石井監督のどこが他の自主制作をしている映画監督と一番異なっていたかと言うと、
彼の作品には常に現在の日本社会が反映されていたという点が挙げられます。
キネマ旬報のインタビューにもありましたが、石井作品には独自の「日本論」みたいな
ものが必ず描かれているのです。

つまり、現代日本社会の矛盾や問題を石井監督は独自に解釈し、それをシニカルなコメディータッチ
で描ききっている点が石井作品の大きな特徴だと思います。

それから3年の月日が過ぎー
エドワード・ヤン賞の受賞をはじめ、ぴあのグランプリ受賞、そして今回のブルーリボン賞の受賞と
石井監督は次から次へと映画の賞を受賞するという快挙を遂げています。

ついでに女優、満島ひかりさんとご結婚されるなど、話題のつきない映画監督へと
石井さんは成長していったのでした。

今後の石井裕也監督に期待しています。

私も負けじと頑張っていきますゾー

STUDIO F+が日本大学芸術学研究科博士後期課程の修了製作として製作した長編ドキュメンタリー映画
「映画館物語2007-2008」には、石井裕也監督をはじめ、松本俊夫監督など映画関係者の貴重な
インタビュー映像が収録されています。

予告編ですが、是非、御覧ください。


映画館物語2007予告編 Preview "The Movie Theater Story"