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映画「ドラゴンタトゥーの女」

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デビッド・フィンチャー監督版の「ミレニアム」シリーズ第一弾「ドラゴン・タトゥーの女」(原題: The Girl with the Dragon Tattoo)を観ました。

オープニングからトレント・レズナーとカレンOによるレッド・ツェッペリン「移民の歌」(1970年)のカバー曲がガンガン流れる本作は、
2009年にデンマーク出身のニールス・アルデン・オプレヴ監督が手がけた、「M n som hatar kvinnor」(原題「女を憎む男」)のリメイク作。

映画の原作となった小説「ミレニアム」(Millennium)は、スウェーデンの作家スティーグ・ラーソンによる推理小説

ドラゴン・タトゥーの女」「火と戯れる女」「眠れる女と狂卓の騎士」から成る三部作は、実際は五部作まで構想があったそうで、すでにラーソンが亡くなったために小説化された三部作がシリーズとして存在しています。

原作小説のシリーズ全篇を通して描かれている内容は、女性への偏見・軽蔑・暴力がテーマらしく、ハードバイオレンスなダークなもの。

映画版も2009年版とフィンチャー監督のリメイク作の両方を観ましたが、フィンチャー版を先に観たせいか、2009年版よりも面白かったですね。

ただ、フィンチャー版は2009年版とほぼ同じ構成なので、2009年版を先に観た人はつまらなかったかもしれません。

ちなみに、2009年版の主演は共にスウェーデン出身のミカエル・ニクヴィストがミカエルを、ノオミ・ラパスがヒロイン、リスベットを演じています。

2009年版のリスベットは若干、大人の女性っぽい感じで、ノオミ・ラパスはこの映画で高い評価を得て、リドリー・スコット監督最新作「プロメテウス」の主役に抜擢されています。

フィンチャー版のミカエルは「007シリーズ」のダニエル・クレッグが演じ、「ソーシャルネットワーク」のルーニー・マーラがリスベットを演じています。

ソーシャルネットワーク」ではインテリな学生エリカを演じていたルーニー・マーラが一変して、身体にタトゥーを入れた女の子を熱演していたのには驚きましたね。

フィンチャー版では、ヒロイン、リスベットの過去についてはあまり描いていないのですが、2009年版ではリスベットの過去を曖昧ながら描いている違いがあります。

ただ、やはりハリウッドがリメイクすると、お金がかかっている映画に変身してしまうようで、フィンチャー版は細かい部分やラスト近くのシーンなどが丁寧に描かれていました。

個人的には、フィンチャー版リスベットの方が好きなんですが、それは、毎回リスベットが食べているのがマクドナルドのハッピーセットだったり、
リスベットのライダースーツが全身黒で統一されていたりと、ダークな過去を背負い、社会からつまはじきにされて生きてきたリスベットの性格を映像的に細かく描いてみせているからだと思います。

2009年版のリスベットのライダースーツはちょっとダサい感じが…

ハッキングやコンピュータを使わせて調べ物をするリスベットの描き方もフィンチャー版の方が上手いですね。

日本公開版では、余計な?!シーンにモザイクがかけられていたため、
一部の劇場のみ18禁バージョンが公開されているというこの映画。

フィンチャー監督ならではのダークさが堪能できる映画でした。

ただ、残酷な写真がバシバシ映し出されたのは2009年版の方でしたが…