STUDIO F+のPhoto Blog

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元シベリア抑留者のドキュメンタリー

TBSの報道特集を見て思った事

先日、仕事が休みだったので
ずーっと自宅に籠っていました。

そこでたまたま見たテレビ番組
について書きます。

夕方に放送していた、TBSの報道特集
見ていたら、元シベリア抑留者の
ドキュメンタリーをやっていました。

第二次世界大戦の末期に、当時、日本軍が
作った満州に、ソ連軍が日本と結んだ不可侵
条約を一方的に破棄して侵攻。

その結果、多くの日本兵ソ連軍に拘束され、
シベリアの強制労働に従事させられる事
になってしまうのです。

冬のシベリアは零下の凍てつく氷の世界。

そこで拘束された多くの日本兵が働かされ
死んで行ったのです。

ドキュメンタリーでは、シベリア抑留から
解放されて生き残った、一人の老人が息子さんと
孫の三人で、かつてのシベリア抑留者がいた
場所を訪れるという内容でした。

彼等がシベリアを訪れたのは夏。
無数の白樺が美しくはえる季節でした。

その白樺の木々の中に、ひっそりと立てられた
日本兵の慰霊碑を見た老人は、声を出して
泣いていました。

「死んで行った仲間に対して、申し訳ない」と。

ドキュメンタリーでは、もう一人のシベリア抑留者
を映し出していました。

現在は鹿児島に住む老人で、ロシアの軍事機密
ファイルの中に残されたシベリア抑留者の
リストに名前があった人物だったのです。

その老人は、コピーされた機密文章に
自分の名前が記されているのを見て、
「これはサインさせられたものですね」と
自分で書いたものである事を確認したのでした。

現在、シベリア抑留について当時の日本政府と
ソ連政府と交わした文書が問題になっています。

その文書によると、当時の日本政府がソ連政府に
シベリアで抑留された日本兵を労働力として
働かせてよいと認めていたというのです。

この事実を知った元シベリア抑留者達は
日本政府を相手に裁判をおこしているとの事でした。

鹿児島に在住する元シベリア抑留者の老人は、
「こんな国の為に、命を捧げていたのかと
思うと、バカらしいと思いますよ」と
語気を強めて語っていました。

結局、当時の日本政府は国の為に命を捧げた人々を
見捨てた。

この事実は許されるべきではないと思います。

よく、第二次世界大戦に敗れた責任は、一体
誰にあるのか?という問いかけがあります。

ある人は軍に責任があると言い、またある人は
天皇に責任があると言います。

しかしながら、あの当時、戦争に反対せず、
戦争に加担した人々全員に実は戦争責任が
あるように思えるのです。

そして、日本政府でもどこの国の政府でも
都合が悪くなったら、国民の命よりも
国益優先に走る傾向にあるのは過去の歴史が
物語っていると思います。

無政府主義者では決してありませんが、
国のやっている事には常に疑いの目を
向ける必要があると感じます。

ある有名な日本人教育者が残した名言に
「青年は政治を監視せよ!」とは、
非常に的を得た表現だと思います。

私の祖母、両親はいわゆる「引揚げ者」です。

それ故に、当時、ソ連満州に侵攻してきた
恐怖や、ソ連兵が日本人を暴行した様子を
聞かされてきました。

決してロシア人を憎むわけではありません。

ただ、戦争がいかに無益で、悲惨なものかを
考えさせられる事がよくあります。

ある有名な小説の一節に、
「戦争ほど残酷なものはない。戦争ほど悲惨なものはない。」とあります。

私は体験していませんが、祖母の話を聞いたり
今回のTBSの番組を見る度に、その通りだと
思うのです。