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映画評:「第九地区」District 9

映画評:「第九地区」District 9

若干30歳のニール・ブロムカンプ監督初長編作品を観てきました。

主人公のヴィカス役である、シャルト・コプリーをはじめほとんど日本では無名の役者ばかりが出演
しているという、このSF映画は、あのアカデミー賞
にノミネートされた事から一躍話題になった作品
となりました。

個人的には、日本公開前からアメリカ版Apple
サイトで最新映画予告編を観て以来、気になって
いた作品でした。

タイトルも「District 9」とカッコよく、しかも
舞台もSF映画にしては珍しく南アフリカ!?で、
昆虫顔した宇宙人が強制的に居住させれている
という設定もナイス。

主人公ヴィカスも、実に人が良さそうな人物として
描かれており、この主人公と宇宙人がどのように
物語に絡んでくるかが楽しみでした。

平日の昼間のユナイテッドシネマとしまえんには
シニアと学生カップルがチラホラみられたぐらいで
そんなにはお客はいませんでした。

オープニング、ドキュメンタリータッチの演出
から始まり、なるほど、リアリティを出すために
インタビューシーンから入ったのだと思いました。

おっと、ネタバレはしませんので御安心を。

率直な感想としては、内容はB級SF映画だが、
映像は最近流行りのCGを駆使した、説得力のある
シーンに仕上がっていると思いました。

決してつまらない映画ではないのですが、
観ていて不思議な感覚になってくる映画でした。

エイリアンと人間の共存というテーマは、
使い古された内容でありますが、これまでの映画
と異なるのが、やはりCGがもたらしたリアルな
映像でしょう。

「エビ」と呼ばれる宇宙人を、かくもリアリティ
あふれる動きや表情で動かせている技術には
驚きます。

お人好しの主人公ヴィカスも良い味を出して
ますが、あの「スターウォーズ」の時と同様に
無名な役者ばかり出ている事で、ある種の
映画全体のリアリティ度をあげていて、
SF映画にとってはプラスな作用が働いていると
思います。

最後に、宇宙人の好物がキャットフードであると
いう設定やら、主人公がお腹がすいてハンバーガー屋に
入って行ったりするシーンが印象的でしたね。

主人公を描く時に、空腹になり食事をするシーンを
ちゃんと表現することで、映画という空想の出来事が
現実味を帯びてくるのだと思いました。

しかし、あのハンバーガー屋。カウンター前が銀行の
檻みたいに厳重に客と店員を区切っているのには
驚きましたね。それだけ南アフリカは治安が悪い
って事なんでしょうか?!

ひょっとすると、パート2もありうる結末で終わっ
ていった「第九地区」。

少しだけ期待してみます。