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映画評 「INCEPTION」

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クリストファー・ノーラン監督最新作
インセプション」を観ました。

面白かったですねー久しぶりにゾクゾクさせられた
映画でした。

メメント」という衝撃作を観て以来、ノーラン
監督のファンでもある私は、ノーラン監督作品を
観る時は最低三回は映画館に通います。

アラスカに住んでいた時も「インソムニア」が
偶然にも公開され、アンカレッジの映画館に
通いましたね。アラスカの観客がオープニングの
アラスカの風景が出る度に、「あ、アラスカだ!」
と声に出していたのを覚えています。

実はこれまで、アメリカ映画でアラスカを舞台に
したものはというと、大体がおバカコメディー
映画か、アラスカとは名ばかりの映画だったので
ノーラン監督のようにシリアスな映画でアラスカが
取り上げられる事はなかったのでした。

話を「インセプション」に戻すと、無意識的動機
つまり「発端」と言う意味がある、この映画の
コンセプトは「夢の中の夢の、さらに夢」という
もの。つまり、現実世界と夢の世界を行き来する
物語なんです。

現実世界と虚構世界を行き来する物語としては
「MATRIX」など多く存在します。
日本のアニメだと今敏監督の「パプリカ」が
そうでした。

今回の「インセプション」は何がスゴイ
のかと言うと、無意識の世界を現実世界に
置き換えて実写として見せている点だと思います。

頭の中で作り上げられた世界に行き、そして
そこから再び現実世界に戻る方法として、
「キック」と名付けられた発想もユニークでした。

個人的にお気に入りのシーンが無重力状態での
格闘シーン。キューブリック監督の映画
2001年宇宙の旅」にかなり影響を受けたと言う
ノーラン監督が、まさにそのオマージュとして
見せつけるのが、ジョゼフ・ゴードン=レヴィット
扮するアーサーが、襲いくる敵と格闘する
シーンなんです。

デカプリオの迫真の演技もさることながら、
日本人サイトー役の渡辺謙もチョイ役どころか
メインキャラとして堂々たる演技を見せつけてくれます。

また、キュートなエレン・ペイジも魅力的で、
キャラそれぞれの個性が豊かな点が作品を
面白くしています。

007映画を彷彿させるシーンあり、とにかく
ワーナーブラザーズ社が「ダークナイト」で
莫大な利益をもたらしたノーラン監督へのご褒美
じゃないかと疑うほど、ノーラン監督が好き放題に
映像を使った遊び心溢れる作品に仕上がっていました。

なんら説明もなくズンズン映画の中に観客を
巻き込んでいくので、好き嫌いがハッキリ
わかれる映画かもしれませんが、ノーラン監督が
仕掛ける映像世界を堪能してみてはいかがでしょうか。

ちなみに、無意識世界についてはこれまで
ユングフロイトといった西洋的な観点からの
アプローチが主流ですが、実は東洋哲学にも
彼らの理論を超えた「九識論」というものが
ちゃんと存在するんです。

映画「インセプション」では、そこまで詳しく
無意識についての難解な解釈はなされてないので
安心して観る事ができますが。