STUDIO F+のPhoto Blog

デジタル映像スタジオSTUDIO F+の写真専門ブログです

「レディー・キラーズ」(The Ladykillers、2004年)

2012年、新春に映画館で観た映画は、トム・クルーズ主演の「ミッション・インポッシブル 
ゴーストプロトコル」でした。

「ミッション・インポッシブル」の感想はまた書くとして、今回はコーエン兄弟の映画の感想を
書きます。

「レディー・キラーズ」(The Ladykillers、2004年)は、トム・ハンクス主演のクライムコメディ
映画でした。元になった映画は1955年のイギリス映画「マダムと泥棒」だそうですが、オリジナルは
観たことがありません。

トム・ハンクスコーエン兄弟が初タッグを組んだこの作品、説教臭い部分があるものの
爆笑シーン満載のコーエン兄弟ならではの映画に仕上がっていました。

トム・ハンクスが胡散臭いインテリ教授を演じ、黒人の未亡人が住む家の下からトンネルを掘って
カジノの売上金を強奪しようとする内容。

トム・ハンクスのもとには、これまたコーエン兄弟映画らしい個性あふれる犯罪仲間が加わり、
仲間割れをしながらも犯罪遂行を目指すわけなんですが、普通の犯罪映画とは違い、
コーエン兄弟がメインに描きたかったのは強奪までのスリルではなく、強奪後の話。

個人的に爆笑したシーンは、「將軍」と呼ばれる中国系の男が未亡人を殺そうとするシーン。
「將軍」はいつも口にタバコをくわえていて、火のついたタバコをすーっと口の中に隠すという
特技の持ち主。

深夜、將軍が熟睡している未亡人にすり足で近付き、ワイヤーで首をしめようとした瞬間!
未亡人の部屋の鳩時計(鳩の代わりにジーザスが出てました....)が鳴り、
慌てた將軍は口に隠していた火のついたタバコを思わず飲み込んでしまい、大慌てで水を探し、
手元にあった水を飲み干したら、なんと!その水は、未亡人の「入れ歯」が入っていたコップだった…

もう、可笑しくてしょうがなかったですねーこのシーン。

このシーンで上手いなぁと思ったのが、音楽のタイミング。
將軍がワイヤーを手にして熟睡している未亡人に近づくまでは、古い歌が流れているのですが
鳩時計がなった瞬間から將軍が慌てるまでの間は音楽が消えるのです。
そして、慌てる將軍の姿が写った瞬間からまた音楽が流れ、「入れ歯」の入った水を飲み干す
あたりで音楽の音量が高くなる。

コーエン兄弟演出の上手さだと思うんですが、音楽の強弱、タイミングがバッチリあっているんです。

また、胡散臭いインテリ教授を演じる、トム・ハンクスの演技も上手かったですね。
ラスト近く、教授が人を小馬鹿にするような笑い、「ははーっ」という笑いをしながら
怒るというシーンがあるのですが、これは普通ではできない演技ですね。

コーエン兄弟の映画、恐るべし。
ぜひ、一度御覧ください。