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映画評「クライマーズ・ハイ」

原田眞人監督作品、「クライマーズ・ハイ」をDVDで見ました。

作家・横山秀夫の小説を原作に、堤真一堺雅人遠藤憲一などの出演で映画化。

実際に起きた日航機墜落事故をもとに、その記事をめぐる地方新聞社内でのドラマでした。

原作者の横山氏は、元群馬県の地方紙「上毛新聞」の記者で、実際に日航機墜落事故を経験しており、新聞社内の出来事はリアリティ溢れる描写になっていました。

原田監督作品と言えば、「金融腐食列島 呪縛」や「突入せよ!あさま山荘事件」などがあります。

以前ブログで感想を書いたように、京極夏彦原作の「魍魎の匣」も原田監督の作品でしたが、これはつまらない映画でした。

しかしー
やはり、社会派な内容を扱った作品は、原田監督の独特な演出が冴え渡っているよう思います。

原田監督は典型的なフィクション系ドラマは苦手なんですかね?

今回の「クライマーズ・ハイ」でも、新聞社内の人間ドラマをハイテンポな展開と、人と人のぶつかり合い、対立をベースに迫真の演技を見せていきます。

この演出方法は「金融腐食列島」「突入せよ!」で確立された原田流演出のパターンですね。

何らかの組織内部の人間関係の対立を感情的に描く事で、物語を飽きさせないように見せるやり方。

ただし、この原田流演出は、やり過ぎな面もあり、この「クライマーズ・ハイ」でも、ひたすら男同士の怒号が延々と続くので、精神的に受け付けない観客もいるのではないかと思いました。

終始、怒りっぱなしってねぇ。。見ている側からすると、結構疲れるんですよね。

ただ、「クライマーズ・ハイ」は面白い映画だと思いました。

新聞社の裏側を見せられたようで、あんな職場では働けないなぁと思いました。笑

最後に、映画「クライマーズ・ハイ」をマクロ、ミクロ的レベルで見ると、マクロ的には日航機墜落事故を追う新聞記者のドラマです。

ミクロ的には、その新聞記者の主人公の男が抱える家族、友人、そして自分の出生にまつわる葛藤ドラマとして描かれています。

ドラマの比重は日航機墜落事故の真実を描いたものではなく、むしろ、主人公が遭遇した日航機墜落事故により、自身の生き方を考え直す方に比重が置かれていました。

原田流演出の特徴である、突出したキャラクター同士の激しいぶつかり合いは、一体どのようにして撮影現場で演出しているのか?興味がありました。

一度、この原田流演出を私は真似してみたいですね。無理ですが。。笑