しかしー
あれから数十年が過ぎ、自分で映画を作るようになってから、あの「鉄男2」を見た観客の様子を思い出す事があります。
実は、「鉄男2」は観客のハートをしっかり掴んだ映画だったのだと思えるようになったのです。
日本人以外の外国人は、映画がつまらないと、最後まで映画を見ない傾向があるのは事実だと思います。
アメリカの映画館でも、ブラッド・ピット主演の映画「ファイトクラブ」の上演途中で、いきなり前に座ってハンバーガー食っていたアメリカンのオッサンが立ち上がり、「何てひでぇ映画なんだ!」と、口々に言いながら去っていったのを覚えています。
確かそのオッサンが怒ったのは、ブラピがエドワード・ノートンの女を寝盗ったかのように見えるシーンでした。
オッサンも、もう少し我慢して見てたら、ブラピはエドワード・ノートンの作り出した幻影だと知ったのに残念です。
「鉄男2」に話しを戻すと、観客が外に出ても映画のキャラの真似をしたり、感想を述べあっていたのは、彼らにとって映画が面白かった証拠だったのです。
ただし、映画のタイトルが出てすぐに大爆笑が起きるなんて、「鉄男2」はコメディー映画じゃないんだから。。とは思いますが。
笑いのツボや、面白さは文化の違いがでるのでしょう。
しかし、あんなに笑いが起きたシリアスなSF日本映画なんて、やはり少し悲しいかな。