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映画評: 「ソナチネ」

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すでに映画「アウトレイジ」の感想は書いたの
ですが、ふと思い返す事があったので、
北野武監督作品「ソナチネ」について書きます。

公開当時、松竹の元プロデューサー奥山氏が
「日本版ダイハードのような映画を作るはず
だったのに・・・」と、北野監督に裏切られたと
まで言わしめた作品がこの「ソナチネ」でした。

確かに、ヤクザ同士の抗争を描いていながら、
ビートたけし扮するヤクザの複雑な内面を描いて
いるという、単純なアクション映画というよりも、
アート的な実験映像が織り込まれている映画に
仕上がっていたのでした。

奥山氏の怒りをかったにも関わらず、この映画は
海外で好評化を得てしまい、イギリスでは、
後世に残したい映画ベスト10の中に入っている
ほど。

公開後、北野監督が「奥山くんに有り難うと
言いたい」などと、皮肉る場面もありました。

結局、奥山氏は松竹を追い出され、北野監督は
その後「HANA-BI」でベネチア映画祭で賞を
受賞するなど、世界の北野にまでなっていくの
だから、良質な映画を見抜く目を持っていたのは
誰だったのか、明確に分かれていったのでした。

私は映画「ソナチネ」を公開されてすぐに有楽町の
マリオンで観ました。

いやー圧倒されました。ホント。
最近観た「アウトレイジ」よりも、映画を観終わ
った後もしびれっぱなしでしたね。

特に好きなシーンは、久石譲さんの曲
「Play on the sands」が流れる、
実写版「人間紙相撲」のシーンでした。

私はこの曲が大好きで、映画を観終わってすぐに
タワーレコードにいって「ソナチネ」のサントラを
購入しました。

沖縄三味線が奏でる不思議なメロディーに、
ループのように永遠と続く一定のリズム。

自らの身の危険が迫っているのに、楽しそうに
大人が砂浜ではしゃいでいるシーンは、
一見すると不気味なのに、沖縄の青い海と砂浜が
不安をかき消すかのような名場面でした。

映画のラストは書きませんので、ご安心を。
是非、「ソナチネ」を観て下さい。

そして、再度「アウトレイジ」を観た時に、
別の映画、内容であるから、比較をしては
いけないのかもしれないけれど、「ソナチネ
という映画の出来の良さに驚く事だと思います。