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【映画評】戦場のメリークリスマス 4K修復版をMOVIX柏の葉で観る

変異ウィルスが関西、関東で蔓延しつつあるなか
再び映画館が閉鎖に追い込まれるかもしれません
人から人へ感染するコロナウィルスなので
人の流れを止める必要はあると思います

そんな中、昨年は映画館が閉館する前にと
大友克洋監督の「AKIRAIMAX版を
劇場に観にいったのですが

今回は人手が少ない映画館を狙って
わざわざ柏の葉まで足を運んで
松竹系シネコンMOVIX柏の葉
大島渚監督の「戦場のメリークリスマス 4K修復版」を
コロナ感染症対策をバッチリして観にいってきました

MOVIX柏の葉の様子はこちら

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MOVIX柏の葉


ららぽーと柏の葉の中にあるシネコンです

MOVIXは亀有は行ったことがあるのですが
柏の葉の方が人手が少なくて綺麗でした

さて、戦場のメリークリスマスはスクリーン4での上映で
箱的には小さなタイプのスクリーンでした

 

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戦場のメリークリスマス 4K修復版パンフレット
戦場のメリークリスマス 4K修復版 パンフレットより)


私が大島渚監督の「戦場のメリークリスマス」を初めて見たのは
中学生の頃

なぜか中学校の体育館で全員集められ、
フィルム上映された「戦メリ」を観たのでした
おそらく、教師たちからすると「平和教育」「反戦
といった教育の観点から映画の上映にこぎつけたのだろうと
今となっては思います

「戦メリ」の公開が1983年5月28日だそうで
私は映画館でリチャード・アッテンボロー監督作の
ガンジー」(Gandhi, 1982年)を観たときに
「戦メリ」の予告編を観たのを覚えています

あの坂本龍一教授の奏でるテーマ曲と共に
坂本龍一デヴィッド・ボウイビートたけし
三人の顔がダーン!と出てくる予告編で
かなり強烈なインパクトでした

それから
中学生で観た「戦メリ」の本編ですが
当時はビートたけしが出演しているというだけで
周りからクスクス笑いが起きるほど
深刻な内容にも関わらず
有名なラストシーンのたけしのアップに
半数の人が大爆笑

当時、映画通の友人から
「オープニングシーンに映るトカゲがNGを出しまくって
撮影は大変だったらしい」とか
YMO坂本龍一のお芝居が下手すぎるから
音楽だけは気合いを入れて作ったらしい」など
映画を観終わった後、解説をしてくれたのですが

中学生当時の私からすると
なぜデヴィッド・ボウイ扮するジャック・セリアズは
ヨノイ大尉(坂本龍一)にキスをしたのかすら
わからぬじまいで
意味不明な映画だなぁと
とても感動できる映画ではありませんでした

それから30年以上が過ぎ
大人になってから観たのが
今回の「4K修復版」でした

フィルム上映とは異なり
デジタル上映版の「戦メリ」は
当時撮影を担当した人の力を借りて
フィルム版に近い画質、色味などを
調整して修復をおこなったらしく
デジタル版ならではのハッキリした
映像に仕上がっていると感じました

そして
中学生当時、理解できなかった
ヨノイ大尉がセリアズ少佐に心を奪われていく
同性愛的な要素も、大人となった今では
なんとなく理解できました

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戦場のメリークリスマス 4K修復版 パンフレットより)


戦場のメリークリスマス 4K修復版パンフレットを読んで
とても参考になるなぁと思ったことを記載してみます

『大島監督はしばしば理想のキャストを
「一に素人、二に歌手、三四がなくて五に映画スタア、
六七八九がなくて十二新劇俳優」と語り、メソッド演技の
巧みさよりも感覚的に弾ける素人や歌手の勢いを重視してきた。
(中略)
『戦メリ』は、この「非職業的俳優」に賭ける
大島監督独自のキャスティング・センスが最も
絢爛たるかたちで結実したものだった。」
(プロダクションノートより抜粋)

確かに
「戦メリ」はミュージシャンの坂本龍一氏、
コメディアンのビートたけし氏、
歌手のデヴィッド・ボウイ氏といった
「非職業的俳優」がメインキャストでした

この大島監督のキャスティングセンスは
とてもマネできるものではありませんが

私が好きな映画であるジョージ・ルーカス
スターウォーズ」初期3部作でも
ほぼメインキャストが無名な役者ばかり

大島監督流のキャスティング術は
三振かホームランかどちらかに転ぶ
リスキーなものだと思いますが
なぜか、私は共感できるものがあります

さて
大人になって初めて劇場で観た
戦場のメリークリスマス 4K修復版」ですが
大島渚監督の持つ独特なヒューマニズムを感じ

ラストシーンのハラ軍曹(ビートたけし)が
ロレンス中佐(トム・コンティ)に向かって叫ぶ
「メリークリスマス!メリークリスマス!
ミスターロレンス」
というセリフに涙が止まりませんでした

ある人は「戦メリ」を戦闘シーンがない異色な戦争映画だと言い
またある人は、ゲイが描かれた同性愛の映画だと言ったりしますが

私が今回、一番見入ったシーンは
ヨノイ大尉が外国人捕虜を全員集めさせて
さらに病人や怪我をしている捕虜全員を
炎天下の広場に集めるシーンで
栄養失調に陥ったり、怪我をした捕虜たちが
ジッとヨノイ大尉を見つめるというもの

まさにこのシーンこそ
大島渚監督のヒューマニズムが出ている
シーンだと思います

坂本龍一教授渾身の音楽に彩られた
戦場のメリークリスマス 4K修復版」
これはぜひ!映画館で観て欲しい1本です

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