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映画・小説版「告白」の違い

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かなり前に話題になった小説、映画、「告白」。
 
湊かなえ著作の原作小説「告白」を映画を見る前に、まず先に読みました。
評判どおり小説の「告白」は退屈せずに読むことができました。
 
そして、「嫌われ松子の一生」の中島哲也監督の手による映画版「告白」をようやく観ました。
 
いやー映画版は、つまんないですね。

なんでこんな映画が大ヒットしたのか?
おそらく、内容がタイムリーなものであったこと、原作小説が話題になっていたことが
原因で大ヒットにつながったのだと思います。
 
やはり、なんといっても映画は話題性、スキャンダル性がないと世間にアピールできないものなので。
 
中島哲也監督の「告白」は、何が映画として酷いかと言うと、
ワンシーン、ワンシーン、まるでテレビのCMをつないで出来たかのような映画で、
肝心の映画としての流れがプツッ、プツッと全て途切れ途切れ。

音楽PVならまだしも、これは「映画」のはず。
バックにずーっと流れているBGMもとても映像と合っているとは思えず。
おまけに登場人物のモノローグがメインなので、物語の世界に入っていけない。
 
この映画、モノローグの上にショッキングで美しい映像を並べただけですね。
映画を観た人の評価がやけに高いのは、その映像美にダマされているだけ。
 
下妻物語」「嫌われ松子の一生」を観て、中島哲也作品は二度と見ることはないと
思っていましたが、つい小説を読んでしまったので、一年以上かけてようやく
DVDを手にとって観てしまいました・・・・
 
映画で一番納得がいかなかったのは、小説「告白」のメインテーマである
「悪」には「悪」を持って復讐をして何が悪い!という、開き直りとも
とれるテーマが、この映画ではかなり歪んでいます。
 
松たか子さん演じる、森口悠子が雨の中泣くシーンですね。
小説では徹底した、冷徹な復讐に燃える女教師であるはずが、映画版では
そのあたり余計な人間性を付け加えて見せている気がします。
 
有名な「目には目を、歯には歯を・・」という言葉がありますが、
原作小説はあえて、と言うか、スカッとするくらいこの言葉に忠実に
復讐をやってのけている。
 
そこには賛否はもちろんあるのですが、凶悪犯罪の低年齢化が起きている
日本の現状を考えると、賛成をする人も多くいるような気がするわけです。
 
原作小説が良く出来ている作品の映画化に、必ずつきまとうリスク。
そこが悪い方向に出たのが中島哲也監督版「告白」だと思います。