前作『CASSHERN』に続いて、紀里谷和明監督の第二作目 『GOEMON』。
まるでスーパー時代劇とも呼べる、緻密な時代考証を無視した、西洋的な和風時代劇でした。
時代考証はともかく、信長の城やヨロイまでもが西洋風なのには参りました。
シリアスな演技をしてても何故か笑いが込み上げてしまうほど。
せめてヨロイぐらいは純和風を変えたものにしてほしかった。
あれでは中世ヨーロッパの騎士道物語です。
全編こんな風だから頭によぎるのは、昔、駄菓子屋で売っていた「メンコ」の絵でした。
和風の城に忍者が飛んでいて、城の主の着ているのは何故か洋風なヨロイ。たまにロボットまで飛んでいたメンコがあったよう覚えてます。
『GOEMON』の唯一の売りが、CGで合成されたビジュアル美。
確か『CASSHERN』の時もそうでした。
しかしー
いかんせん、ストーリーがつまらないので話になりません。
『CASSHERN』の時もそうでした。
紀里谷監督の作品はいつも肝心な見せ場がダメダメです。
いや、ダラダラしていると思います。
主人公GOEMONは、空中をいとも簡単にビュッと飛べるのに、なぜかサイゾウが処刑される時は飛びません。
あれ?これってご都合主義。まるでスーパーパワーを持った子供を助けるため奮闘する「ゴールデンボーイ」のエディ・マーフィと同じ。
紀里谷監督は伝えたい事が沢山ありすぎるのかもしれません。
見た目は美しいのに、ストーリーが駄目。
もったいない映画だと思いました。
紀里谷監督いわく、「アニメと実写の間の映画を目指している」との事。
ハリウッド映画「マトリックス」がこのパターンに当てはまります。
この際、紀里谷監督はアニメを作ってみたら?と思いました。