ジョニー・デップ主演、マイケル・マン監督作品「パブリック・エネミーズ」を見ました。
昼間のユナイテッドとしまえんで見たので、観客は少なく、ゆっくり見ることができました。
マイケル・マン監督と言えば、ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ共演の「ヒート」で、一躍有名に
なった監督です。しかも、監督のこだわりの一つがリアルな銃撃戦。
今回の「パブリック・エネミーズ」でも、ギャング映画によく登場するドラム式マシンガンによる
迫力のある銃撃戦を見せてくれます。
映画としては、あの売れっ子俳優、ジョニー・デップが実在したギャング、ジョン・デリンジャー役を
演じているという話題性を除けば、意外に地味なキャスト、ストーリーで話が展開していきます。
もちろん、あのバットマン役のクリスチャン・ベールも忘れてはいけませんが。
日芸の映画理論の授業に、TAとして働いていたときに、たまたまアメリカのギャング映画についての
講義があったことを思い出しました。
ギャング映画に欠かせない要素とは?
「迫力のあるマシンガンの音」
「葉巻」
「女」
「アルコール」
アメリカはある時期、ギャング映画が量産された時代がありました。¥
今回の「パブリック・エネミーズ」も、しっかりと過去のギャング映画定番(おきまり)のルールが
用いられていました。
ネタばれはしませんが、面白い映画であるかどうかを基準に考えると、今回の映画は
可もなく、不可もないものだと思いました。
当然、ジョニー・デップファンにとっては必見なシーンが盛りだくさんですが、
ジョン・デリンジャーの生き様を描ききれていない、鑑賞後、何か不満がのこる作品に仕上がっていると
感じました。
マイケル・マン監督は史実に忠実に描こうとしたのかもしれませんが、何か映画的な面白みに欠ける作品に
なっていると思います。ユーモアが一つもないんですよね、この作品。
もう少し、フィクションが混ざっていてもよかったのではないかと感じました。
ギャング映画ではありませんが、コーエン兄弟の「オーブラザー」の方が面白いですね。
ちなみに、「オーブラザー」にも「パブリック・エネミーズ」で登場するベィビーフェイス・ネルソン
というイカレタ、ギャングが登場します。
仲間を決して見放さなかった男、ジョン・デリンジャー。
もう少し、彼の内面やら、人間性に注目した描き方で、見せてほしかった気がしました。